新卒・若手社員の早期離職が企業課題となっています。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が行った「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」結果から、「新卒就職者が初めての正社員勤務先を離職した理由」と労務管理のヒントを探ります。
◆離職理由の傾向
調査は2016年に第1回、2019年に第2回、2025年に第3回が行われ、各回の対象年齢や質問事項は厳密には一致しません。
しかしながら、第2回・第3回の離職者全体の回答では、男女とも「労働時間・休日・休暇」「賃金の条件」「健康を損ねたため」「人間関係」が上位に入り、これらが普遍的な離職理由であることがうかがえます。
また、勤続1年以内に離職した若者で突出する離職要因は、男女ともに「健康を損ねた」「人間関係」「自信喪失」となっており、入職直後の職場や仕事への適応が職場定着に重要であることが確認できます。
他方で、5年超勤続者の離職では「キャリアアップ」「希望条件に合う仕事が見つかった」「結婚・出産・育児」が高く、前向きな理由が増加しています。
◆労務管理のヒント
第3回調査では、仕事や働くことについての悩みを相談できる相手がいるか否かによって若年の職場定着状況は大きく左右されると予想し、相談状況を分析しています。
すると、早期に離職した若者ほど悩みがあっても相談しないまま離職した傾向がみられ、離職者は勤続者と比べて職場のコミュニケーションが不足している傾向も指摘されたとしています。
不本意な早期離職を防止し職場定着を推進するには、だれでも利用できる「入職直後に相談できる場」を職場外に整備することが重要であると、結論づけています。
【参考資料】
JILPT 若年者の能力開発と職場への定着に関する調査(第3回)
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/documents/250_01.pdf